Friday, June 4, 2010

幼年期発達プログラム(Early Childhood Development Program)の必要性と基本的な原理

 Early Childhood Development Program (ECDP)の必要性について研究者が様々な議論をしている。これまでの研究から見てみるとECEの必要性には、科学的な議論、道徳的な議論、社会的な議論と経済議論として四つのカテゴリーに説明することができる。

① 科学的な議論
 歴史を見ると、紀元前6世紀から幼年期は、「生活の基盤」であることが挙げられている。当時の定義に基づき、「As the twig is bent, so the tree will grown」が使い始められたとみられる。大人になったらどんな人間になるのかを、幼年期における発育のあり方、方法、環境、教育、栄養が大きな影響を与えるものであるということがある。「幼年期は、知性、個性、社会的なふるまい形成において時期である 。」また、「50%以上の知的潜在能力発達は就学期間に行う 」。幼年期において以下に過ごしたかが、大人になった後にも景を落とすことがあり得るとしてそれは大人にとどまらず、彼らの家庭、社会、国家までにも影響を与える。幼年期プログラムは、幼児の知識的、感情的、社会的成長及び子どもの豊かな発達を向上することに効果を与える 。そのため、ECDPには、栄養・食事、健康、知識的・感情的・社会教育を含める必要がある。また、家庭環境、学校の環境及び地域環境が幼児に重要な影響が与えるということである。

② 道徳的な議論
 1990年、2001年に採択された「万人のための教育世界宣言」では、すべて住民に基礎教育を受けさせる目標を掲げた。1989年の子どもの権利条約では、幼児の豊かな発達のため、すべての幼年期の子どもたちにより良いECDPを受けさせること。また、1990年の子どものための世界サミットでは、子どもたちに、2000年までに、全体として就学率の向上は見られるとしている。すべての子どもに、生きる権利がある。子どもの生存及び豊かな発達に、家庭、地域、国家の努力が重要である。子どもが、良い家庭環境で、栄養・食事や良いECDPを受けることは、子どもの権利であり、その設備を与えることは、家庭、学校や国家の道義的責任になる。

③ 社会正義と平等的議論
 今日においても、ECDサービスを受けている者全体の中で、経済的不安がない、都市部の地域に暮らしている住民の子どもたちが高い割合を占める。これによって、ECDサービスを受けて、良質な教育を受けている子どもたちと、郡部で暮らしており、ECDサービス及び良質な教育を受ける機会がない住民の間の経済的や教育的ギャップは幅広くなっている。このような状況に、ECDサービスは、不利な状況に暮らしている住民の子どもたちも、ECDサービス及び良質な教育を受ける様な状況を作ることができれば、貧困削減、差別(社会的・宗教教的・ジェンダーによる差別)の問題も解決することができると考えられる。就学前教育は、郡部で暮らしている貧しい家庭の子どもと都市部で暮らしているお金持ち家庭の子どもの間のギャップも減らすことに役立つ ことを挙げている。
ECDサービスは、子どもの豊かな発達及び教育発達を促進し、貧困削減及び差別を減らすために重要であり、良いECDサービスと良い運営をするため、社会正義及び平等議論は必要である。

④ 経済的議論
ECDの必要性に対しての経済的議論に三つにまとめることができる。①初等教育の高い留年率及び中途退学率を減らし、初等教育への基金を減らすこと。②幼児がECE施設に登校できることによって、母親が所得創出活動に参加し、経済成長できるということ。③幼年期に、健康、栄養、教育を受けたけた子どもが将来に有能な市民なり、それは国の発展にも効果が当てると考えたものである。

Early Childhood Development Programの基本的な原理
 ECDPの基本的な原理には、子どもの全面的発達という視点、、子どもを中心とした遊びやアクティビティの方法という視点、、形式に捉われない方法、、社会・文化的状況に基づいたプログラムとして四つに区分することができる。

① 子どもの全面的発達という視点
 有名な教育者である、ペスタロッチが子どもの発達について、「頭、手や身長の発達ではなく、全人体的発達であろう」と述べている。また、幼児教育の研究者であるKaulがECEについては、「ECEは子どもの全体的発達を指すものである」 と述べている。そのため、子どもの全人的発達させるため、ECEプログラムには、子どもの身体的、知的、社会的、情緒的、教育的発達する様な内容を含めるべきである。

② 子どもを中心とした遊びやアクティビティの方法という視点
 ECDPは、子ども中心に行われるべきである 。幼い子どもであるため、遊ぶ時、食事の時や教育を受ける時のいずれの時間でも、教職員はサービス提供にあたり、子どもを中心にする必要がある。子どもは、遊びながら学ぶこと、活動しながら覚えること、経験してから理解できることがあるため、ECDPに授業だけではなく、スポーツ、ゲームなども使用することも必要である。子どもが喜んで、ECD施設に来て、楽しんで家に帰ることによって、子どもの心理的な発達にも影響を与えるため、ECDプログラムの内容や教職員のふるまいにも気をつけることが重要である。

③ 形式に捉われない方法
 ECDPは、日課と授業期間(クラス期間)を決めて、厳しく授業受けさせることではなく、楽しい環境で、子どもたち喜ぶような活動を行うこと 。ECDPを行うことによっての目標のうち一つは、小学校入学するための就学前教育を受けさせること捉えられている。実は、ECDPは、子どもの全人的な発達に着目し、形式にとらわれないやり方にするべきだ。

④ 社会・文化的状況に基づいたプログラム
 社会による、特色として、文化的、経済的、知識的状況は違いが考えられる。その状況によって、プログラムにも柔軟性が必要である。また、ECDPの成否は、施設運営側、家庭と地域の共同参加に依存するものであるので、プログラムは社会文化的状況に合わせて行うべきだ。また、親・保護者は子どもの最初の教師、家は最初の学校といえるので、親・保護者の教育及び能力も子どもに大きな影響を与える。そのため、親の教育も重要である。また、施設の長期持続のためも親と地域の参加は非常に必要である。

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